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華岡青洲の記念碑
華岡青洲が世界で初めて全身麻酔下に乳がんの手術を行ったことは、1954年(昭和29年)に国際外科学会で報告されました。その開催地シカゴには人類の福祉と世界外科医学に貢献した医師を讃える国際外科学会の栄誉館があり、現在も青洲に関する資料が展示されています。
国際外科学会の栄誉館に展示されている華岡青洲、
母於継、妻加恵の図。立石清美画
母於継、妻加恵の図。立石清美画
日本麻酔学会はシンボルマークとして、通仙散(つうせんさん)の主成分である曼陀羅華の花をシンボルマークとしています。また、日本外科学会は2000年(平成12年)にその創立100周年を記念し、青洲の肖像と曼陀羅華の花をデザインした切手を発行しました。 和歌山県立医科大学は青洲の偉業を讃えて、曼陀羅華の花に「医」の文字を配した学章を使用しています。また、大学内には「活物窮理」の石碑が建ち、青洲の教えを現在の医師や学生に伝えています。
活物窮理の碑
日本外科学会
創立100周年記念切手
和歌山県立医科大学の学章
医聖華岡青洲顕彰会は平山の地に春林軒を復元し、博物館(フラワーヒルミュージアム)や庭園とあわせて「青洲の里」という記念施設を建設しました。ここにはレストランやお土産屋もあり、たくさんの観光客で賑わっています。そのにぎわいからほんの少し離れた小さな丘の木立の中に華岡家代々の墓所があり、母於継、妻加恵の墓とともに、青洲の墓石がひときわ大きく静かに立っています。その生涯を医療にささげた青洲は、1835年(天保6年)10月2日、76歳の生涯を閉じました。法名は「天聴院聖哲直幸居士」。
フラワーヒルミュージアム
華岡家の墓所
青洲の墓石
参考文献
- 上山英明 「華岡青洲先生 その業績とひととなり」医聖?華岡青洲顕彰会、1999年
- 泉雄勝 「華岡青洲とその業績」乳癌の臨床9: 443-440, 593-602, 1994, 10:145-140, 1995
- 松木明知 「『乳巌治験録』は青洲の自筆ではない」日本医事新報4038, 26-32, 2001
- 松木明知 「華岡青洲研究史」日本医史学雑誌51, 355-384, 2005
- WJ Bishop著、「外科の歴史」