生体機能解析学
研究室紹介
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研究室の概要
那波 宏之 教授
生体機能解析学研究室は、神経生理学、神経薬理学、分子神経科学に精通する3名の教官から構成される。いずれも薬理遺伝学や光遺伝学をはじめとする神経科学や神経薬理学にまつわる多くの装置、手法を熟知しており、各種装置や実験手法の提供、共同研究が可能である。和歌山県立医大の先生方はもとより、他大学とも多くの共同研究を実施してゆきたい。
研究においてポイントとなる単語?言葉
脳機能、神経薬理?生理、炎症、痛み、痒み、知覚認知、精神疾患
教育の内容
生体機能解析学研究室では、薬学の基盤生物学を提供する人体組織の生理学、解剖学の授業をおこないます。とくに臓器別に区分して、臓器ごとの生理学、解剖学を同時に説明することで、人体の構造とその機能を統合的に理解してもらえるよう努める予定です。
研究の内容
当研究室では、聴覚や痛覚を中心に、幻の知覚である慢性疼痛や幻聴の神経科学的なメカニズムを、炎症に着目してモデル動物を用いて研究している。誰もいないのに声が聞こえる幻聴、触ってもいないのに痛みを感じる疼痛はどのように起こっているのであろうか? この疑問を、最新の光遺伝学や薬理遺伝学を遺伝子改変動物に適用し、分子生物学的、神経生理学的な視点から実験している。なかでも、特に着目している分子群は、炎症にともなって誘導されるサイトカインや、幻聴や幻覚を誘発し鎮痛作用のあるオピオイドである。これらの分子が、脳や脊髄のどの細胞に作用して、どのような神経ネットワークを活性化しているかを研究している。これらの実態を解明することで、統合失調症や慢性疼痛?掻痒の謎に迫り、その治療薬開発を目指したい。