「ストレス」と「癒し」の研究会

ストレスと癒しの研究会 趣意書

我々現代人は日常的に様々なストレスに曝されており、ストレスに伴う多くの疾患の発症は社会的にも大きな問題となっています。うつ、PTSD といった心の病はもちろん、心疾患、高血圧、脳血管障害のような循環器疾患、肥満?糖尿病などの代謝性疾患、急性胃粘膜病変や過敏性腸症候群などの消化器疾患、さらにアトピー性皮膚炎、喘息などストレス関連疾患はほとんどの診療科に関係しています。さらに細胞レベルでのストレス応答(酸化ストレス、小胞体ストレス)を含めれば、癌、変性疾患、老化などに関わり、ストレスはすべての病の根源であるとも言えます。

不安、怒り、焦りなどネガティブな情動(Distress)が脳や身体に悪い影響を与え、健康を害しているとすると、反対に「喜び」や「笑い」、「遊び」など心を浮き立たせるようなポジティブな情動(Eustress)は「癒し」となり、私たちの健康によい影響を与えるということが、最近注目されるようになりました。例えば、遊ぶことによって脳でBDNF(脳由来神経栄養因子)の産生が増えたり、笑うことによって免疫力が高まったり、血糖が下がったりすることが明らかにされています。

すなわちネガティブな情動を抑え、ポジティブな情動を活性化することにより、心身症を防ぎ、より健康になることができるのです。ストレスと癒しのメカニズムを科学的に明らかにし、実際の医療の場に生かして行くことは、医療の質、生活?人生の質(QOL)を向上させる上で必要不可欠であり、研究者および医療人の共通の願いであります。

学内においてそのような基礎研究?臨床研究を推進し、また学外から講演者を招聘して情報交換を行い、お互いに交流を進める中で学内外の共同研究を促進し、さらにその成果を医療の場に生かして行くことを目的として、本研究会を発足させたいと思います。多くの皆様の参加を呼びかけます。

世話人(50音順)

  • 上山敬司(医、第一解剖)
  • 篠崎和弘(医、精神科)
  • 仙波恵美子(医、第二解剖)代表
  • 田島文博(医、リハビリテーション科)
  • 竹下達也(医、公衆衛生)
  • 西 理宏(医、病態栄養治療学)
  • 前田正信(医、第二生理)
  • 柳川敏彦(保健看護学部)

 

ストレスと癒しの研究会 会則

 

第I章 総則

第1条 本会は、和歌山県立医科大学 ストレスと癒しの研究会と称する。
第2条 本会の事務局は第一解剖学教室に置く

第II章 目的および事業

第3条 本会は和歌山県立医科大学におけるストレスと癒しに関する研究の発展を促進し、学内外の研究者との交流を図り、共同研究を推進することを目的とする。
第4条 本会は前条の目的を達成するため次の事業を行なう。
1.ストレスと癒しに関する研究とその成果を発表する研究発表会を行なう。
2.学外から講演者を招き講演会を行なう。
3.その他、本会の目的達成に必要な事業を行なう。

第Ⅲ章 会員

第5条 本会会員は、和歌山県立医科大学において、ストレスと癒しに関する研究に関心を持ち、研究を行なっている、あるいは行なおうとする者とする。
第6条 入会を希望する者は所定の手続きを経て本会事務局に申し込むものとする。

第Ⅳ章 役員

第7条 本会には次の役員をおく。
世話人 若干名
第8条 世話人は互選にて世話人代表1名と会計1名を選ぶ
第9条 世話人代表と会計の任期は1年とし、再任を妨げない。

第Ⅴ章 世話人会および総会

第10条 世話人会は世話人代表が召集し、本会の運営に関する重要事項を審議し決定する。
第11条 本会は毎年1回総会を開催する。

第Ⅵ章 会計

第12条 本会の経費は、各種助成金および寄付金をもって充てる。会計年度は毎年1月1日より始まり、12月31日に終わる。前年度収支決算は総会において報告する。
第13条 本会則を変更するには総会出席者の3分の2以上の賛成を要する。

(附則) 本会会則は、2009年10月7日より施行する。

 

講演会の内容

 

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